散文誌

日記・小説

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共通テーマ『江戸』

江戸。影武者徳川家康という小説が面白かった、程度の知識しか持ち合わせておりません。
が、しかし。ググっていると興味深い事柄を発見しました。

明治の中頃まで、女性下着というモノの存在はなかった、と言うではありませんか。

びっくりですよね。ノーパンですよ、ノーパン。着物をちょいと肌蹴ば柔肌が見えるとは。
女の子の日とかどうしていたんでしょうか。垂れ流しだと着物が汚れるし。

それにしても色んな画像を見ていると、意外に着物って艶やかですよね。お祭りの浴衣とか
けっこう好きです。帯を引っ張りながら「あ~れ~」って女性がいうやつ、ちょっとやって
みたいとか思ったり思わなかったり。そういうイメクラありそうだけど行ってみたい、なあ
んて思ったり思わなかったり。

ところで、ふと思い出したんですが、酒井賢一、だったかな。たしか「後宮小説」とかいう
小説があって、その文中に「女性を裸にしたとき、西洋の女性は胸を隠し、東洋の女性はま――
失礼、下腹部を隠すんだそうです。うろ覚えですけどそんなことが書いてありました。

でもよくよく考えてみると、腕は二つあるのですから、片方は胸を、もう片方は下腹部を隠
せばいいのでは? なんて疑問が浮かんだり。

一度統計をとったモノを見てみたいものです、ええ。
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ニートとしての矜持

世の人々はニートのことを下に見ている。ある者は同情し、ある者は罵倒する。感傷するのは
勝手だが、僕らニートがいつ貴様ら社畜の風下に立ったというのだ。勘違いするな。ニート
だから暇だ、ニートだkら体力がない等と自虐する分には一向に構わない。だが、僕らを下に
見るのだけは我慢がならない。

そもそもニートとはその境遇にある者をあげつらう言葉ではない。自尊の言葉なのである。
我々は働かずして、人生における意義を見出した、いわばニュータイプであって、未だに労働
という対価に囚われるオールドタイプの嘲りなぞ、嫉妬の裏返しにしか見えないのだ。

社畜共が無様にも労働に汗を流し、社会を成り立たせ、僕らニートは優雅に自宅を警備する。
それがニートにとっての世の中の仕組みだ。理だ。条理なのだ。僕らニートは言ってみれば、
選ばれた特権階級なのである。いわば貴族だ。その貴族に対して、ただの民草である社畜ごときに、
下に見られる謂れは無い。僕のことをバカにした社畜が不幸に落ちることを願い、寝ることにする。

くっ、くやしいですっ!!!!
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共通テーマ『好きな歌』

好きな歌。ノスタルジィに浸れる曲が好きですね。琴線に響く歌といいましょうか。以下、挙げていきます。

1.ナウシカ・レクイエム



最高ですね。深い深い森の中に誘われるような曲調に、子供のあどけない声。ふらふらと誘われちゃいます。

2.炎と永遠&風のファンタジア



これもタマりませんね。ファンタジーの世界にとても合っていると思います。

3.Brise



マリスの中で一番好きな曲ですね。牧歌的な曲調。

4.REBECCA - Virginity



レベッカで一番好きな曲。いわゆる破瓜です。


あんまり挙げてもキリがないのでこんなもので終わりとしましょう。いやぁ、音楽ってさいこうですねっ
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深夜

かっこいい奴がかっこいい事をして可愛い奴が可愛い事をして頭のいい奴が頭のいい事をして
僕のようなクズはさて何をやっているかというと何もやってない。
何も成さない生き物が僕で何かを成したいけれども苦労はしたくないから日記を綴るしかない。
その日記も文を読めば頭のお里が知れるような拙いモノでとても人様には見せられない代物
だけれど僕は見せちゃうだって何かを発信しないと生きている気がしないから。
妄想の世界に逃げ込んで飢えた心を満たすのは厭き厭きだけれど数日絶てば何事も無かった
かのように悲喜劇の主人公に成っているんだろうもちろん頭の中で。
そんなことを考えていると自分には何もないってことが嫌なぐらい痛感するけど僕はそこから
決して抜け出そうともしないし変わろうともしないのだろう。
寂しくなって大好きなバンドやアイドルのライブを見たり2chにどっぷりと浸かったりする
けれどやっぱりそれにも厭き厭きして僕は最初に戻るんだろう。
ルーティン。何にも揺さぶられない精神力が欲しい。手に入れたらどうなるんだろう。
なにせ、絶対に心を乱さない精神力だ。とんでもない心のコスモなんだろうな。心のコスモ。
確かなんだっけ、あれ思い出せない。ああそうそう、セイントセイヤだ。漢字だった気がする
けどググる事がめんどくさい。凍てついた心の小宇宙(コスモ)、だったはずだ。
まぁそんな事どうでもいいんだけどね。時計を見るともう三時。頭の中で誰かが暴れまわって
のか鈍痛がする。そういえばちっさいおっさんていたよね。ちっさいおっさん。
どうでもいいか。あー生まれ変わりたい。
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共通テーマ『性癖』

性癖。この単語を調べてみると、興味深い項目が見つかった。露出癖である。

一般的に露出癖とは、性的好奇心および羞恥心を喚起する身体の一部を露出させること、であるらしい。

この一文を読んでピンときたそこのあなた、よく出来ました。

そう、これは僕達テキストサイトの住人にも通じるモノがあるのではなかろうか。
なにせ、僕達は文章を露出させて喜んでいる癖があるのだから。

そう考えると中々感慨深いものがある。僕達はときにプライベートを、ときに自身の嗜好を、そして
調子に乗った日には社会に対してあれやこれやと持論を書いちゃったりする。露出することを厭わない
僕達のような人間は、テキストという名の恥部を曝け出して自己アピールに熱心な変態といえるのではないか。

少なくとも僕はそうだな。特に、僕のようなニートにはコミュニケーションの一種としての機能を果たしている。
面と向かって他者と交流することのない引きこもりにとって筆談ないし公開日記は非常に重要な自己伝達方法だ。
いやいや、スカイプなんかで会話すればいいじゃないか、なんて声が聞こえそうだが、それはそれで苦痛なのである。
会話と筆談は似て非なるものだからだ。喋ることと、書くことは余りにも違いすぎる。
会話はもろに自身の乏しいコミュ能力を露見させる気がする、というより、恥ずかしさが勝って上手く喋れない。
それは人見知りのせいかもしれないし、単に経験が少ないからかもしれない。
でも、筆談にはそれがないんだ。初めての相手でも、何でも書けちゃう気がする。もちろん個人情報なんかは
書けないけど、ありのままの自分を出せちゃう気がするんだ。

どっかのスレで読んだ文章がある。僕達人間は、他者との交わりの中で自己を確立する、というモノだ。
他者という比較対象がなければ、永遠に自分を見出せない。だから僕達は、自己をアピールせずにはいられないんじゃないか。

なんてことを書いているうちに提出時刻が迫ってきた。
なんかとても恥ずかしい事を書いてしまった気がしないでもないが、恥は掻き捨て、なんて言うしね、出しちゃえ出しちゃえ。
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お題『犬』 オチ投げやりんぐ

「もう、ニュート君暴れないでって言ってるでしょ」
『ふざけるな蓉子、俺様はそんなモノ身につけんぞ、断固だ、徹底抗戦を宣言す――』
「んしょっと。はいできました、ほら、鏡で確認してみて、プリティーよニュート君」
 目の前の鏡には、前肢の腋を両側から抱えられて、宙ぶらりんのプードル――もとい、
俺様が映っている。胴体には抵抗空しく着させられたピンク色の服が、俺様の白色の毛並みに
映えている、ように見えるのは、さすがは俺様といったところだろうか。う、美しい――と、
いかんいかん、流されてはならん。この圧倒的暴力のまえに、不甲斐ないことではあるが、
成されるがままなのだ。だがしかし、いい加減この馬鹿者に分からせねば、俺様の体面が危ない。
『聞け、脳足リン! 次は、次は必ず阻止してみせると、俺様はここに宣言する! いいか、
いつまでもおまえのいい様になっている俺様ではないぞ! 次こそは必ず! かならずぅ!』
「あら、今日は一段と吼えるのは、ニュート君もそう思うからかしら? やっぱり? フリルも
付いてて、ほんとにもう可愛いったらないわ」
『くっ、なんだそのにやけた面は! 俺様を舐めるのも大概にしろよ!』
「こーら、嬉しいからって、そんなに暴れないで。とりあえず、今日は運動するんだから、
軽めの食事を取っておきましょうね」
『ふん、食事ごときで俺様を懐柔しようなど、甘く見られたものだな。……まあ、一応何の
食事か見てやるか』
 暑苦しい服にイライラしながら蓉子のあとに付いて行く。蓉子はキッチンの棚から食パンの
袋を取り出すと、一枚、二枚とトースターに入れた。どうやらバターを塗った食パンが軽めの
食事ということらしい。
「はい、ニュート君。たーんとお食べ」
 蓉子はそう言って食パンの袋から一枚取り出し、皿に載せ、俺様の前に置いた。これは一体
どういうことだろうか。俺様にはバターは必要ないとでも? ふざけた女だぜまったく。まあいい。
運動することは事実なのだから、食事をとって体力をつけておかないとな。ここは我慢だ。
だがなぜドッグフードじゃダメなんだ? やはり人間の考えることはよく分からんな。
 チーンと甲高い音がして、トースターから食パンがほんの少し出てくる。蓉子は一枚だけ
取ると、バターを塗り、ハムを載せたあと、もう一枚を取って重ねた。なんということだろう。
まさかハムをはさむとは思わなかった。俺様にはただの食パンを出し、自分にはバターを
たっぷりつけたハムトーストを出すとは、この女には驚かされるぜ。俺様に愛情を持って
いるのなら、ハムの一枚ぐらいくれてやってもいいではないか。そう思うと無性に腹が立ってきた。
『コラ蓉子! 自分だけそんな贅沢なトーストを作り、俺様には素の食パンを与えるなど
ナメるのもいい加減にしろよ! だいたいおまえは俺様を甘く見ている! プードルは元々
狩猟犬として育成されてきた、立派な眷属であるのに、その血を引く俺様を貴様は――』
「もう、うるさいよニュート君。ハムが欲しいの? しょうがないなあ、ほら」
 蓉子はそういってハムを一枚、俺様の皿に乗せた。ハムだ。うすい肉だが、これがなかなかうまい。
まあいいだろう。許してやるよ蓉子。ただし、次はないぞ? よおく覚えておけ。
「はいニュート君、最後の一枚も食べて」
 差し出されたハムにむしゃぶりつく。うまい。やはり肉はいい。俺様の身体に力がみなぎって
くるのがわかるぜ。肉こそ至上の食物だ。
「さっ、そろそろ出発するわよ」
 ふん、どうせいつもの散歩コースだろう。近所の公園を一・二週して帰って来る、お決まりの
パターン。いい加減ほかのところにも行って見たいものだが、これは貴重な楽しみだからな、
我慢せねばなるまい。なにせ俺様が俺様であることを、満天下に知らしめる絶好の機会だからな。
太陽が、土が、緑が、俺様を呼んでいる声がするぜぇ。くっくっく。
 蓉子に連れられ家を出ると、真冬の凍えるような冷気が、俺様の身体を撫で回した。さっ、
さみぃじゃねえかこの野郎。心なしか蓉子に着させられた屈辱の烙印が暖かい――だなんて思う
俺様じゃないぜ、なぁにこのぐらいへっちゃらさぁ、自由の大地目指して、いざ出発ぅっ!
「うぅーさむいっ。やっぱ止めにしようかニュート君」
『……あ? 今なんつったん――』
 俺様の必死の抵抗をもかえりみず、蓉子は強引に俺様を家へと連れ戻した。バタン、と無常の音が
響く。今日もやはり散歩には行けなかった。くっ、悔しいですっ!!


ここで手記は終わっている。ニュートがっくし、蓉子てへぺろーんである。

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お題『急加速』

「もうこんなこと、やめよう、やめようぜ」
 タカシがそう、俺に懇願する。しかし、今更やめるわけにもいかない。残りの
人生を獄中で過ごすなんてまっぴらだ。強盗。人質。殺人。たとえ死刑を免れても、
終身刑は免れない。逃げるしかない。逃げるしかないんだ。
 深夜二時。道路を爆走しながらどこへ向かうともなく逃げる。聞こえるのはタカシの
すすり泣きと、追ってくるパトカーの音。捕まれば人生の終わりだ。なにせ、人を
殺したのだから。それが故意じゃなくても、俺たちの判決は人生の終わりを告げるもの
だろう。だから、逃げるしかない。でも、一体どこへ? どこへいけば、俺たちは
安全なのだろうか。時効ってのが何年なのかさえ知らない。とにかく、捕まれば俺たちは
終わる。あてもなく逃げ惑う俺たちにとって、それだけは確実なことだった。
「いいかげんシャキっとしろやタカシ。捕まれば終わりなんだからよ」
「でももう無理だよ。パト振り切れないし、人殺しちまったし。どうしようもねえよ」
「あれは――」事故だった、と言っても、俺たちがどうなるわけでもない。タカシが
人質を殺しちまったのは確かなんだから、事故かどうかなんてこと、いまさらどうでも
いい。要は、捕まったらおしまい、ってことだけだ。
「腹、くくれよタカシ。やっちまったもんはしょうがないだろ。捕まれば終わりなんだ。
今は逃げるしか手がねえんだよ」
「だけど、だけどさ、俺は本気で殺す気なんかなかったんだ。あの野郎が暴れるから、
暴れるからよぉっ! ちくしょおっ!」
 人質の男は今時珍しく正義感に溢れた野郎で、銀行を襲ったときも、俺たちの人質に
なってからも、聞いてるこっちが恥ずかしくなるくらい臭い言葉で説得してきた。それに
腹をたてたタカシがこづいた時にひと悶着がおき、タカシがものの弾みで拳銃の引き金を
引いちまった。殺したことにビビッて使いもんにならなくなったタカシを連れて、俺は
銀行を飛び出し、今まで逃げ惑っている。金は取れず、人は殺し、逃走中の凶悪犯。それが
俺たちだった。
『――とまりなさい、とまりなさい』
 パトの警官が繰り返し呼びかけている。いつの間にか距離を詰められていたらしい。
このままじゃ捕まっちまう。だけど豚小屋に入る気もてんでない。どうすればいいのか。
一体、どうすれば――。
「――なあ、リュウジ。し、死なねえか?」
「死にたきゃてめえ一人で死ねよ。だいたい、おまえがヘタこかなきゃこんなことには
ならなかったんだよボケ」
「そうだけどさ。このままじゃどうせ捕まるだけだぜ。捕まれば死刑にされちまうかも
しれねえ。死刑じゃなくても、終身刑とかよ。リュウジ、俺は刑務所になんか入るぐらい
ならいっそこのまま死にてえ、死にてえよ!」
 そうかもしれない。ムショに入るぐらいなら死にたい。それは俺も同じだ。あの窮屈で
自由のない空間はこりごりだ。だけど、死ぬとなると話は別だ。死にたくはない。今は、まだ。
「なあリュウジ。死のうぜ。もうだめだよ。死のうぜ、リュウジィ……」
 死にたくはない。けれど、豚箱はこりごりだ。あそこは死も同然。逃れるためにはどう
すればいい。どうすればいいんだよ。
『君たちは包囲されている。とまりなさい、とまりなさい』
 依然として警察どもの追っ手は付いてきている。ほんとかうそか、包囲までされている
らしい。山沿いの峠道の先に、パトの防波堤でもつくりやがったのか。もう、終わりだな。
「なあリュウジ、死のうぜ、なあ、リュウジぃ」
 タカシは涙と鼻水でひでえ顔を俺に向けて哀願する。そうだな。もう、その手しかないかもな。
 カーブを曲がり終えた先に、煌々と照らされた防波堤のようなモノが見える。左側には暗闇の
底が横たわる崖。俺は意を決して、アクセルを踏み込み、ハンドルを切った――。
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お題『魔法少女』

――しっかりと現実を直視して、問題に取り組まなきゃ。君はそれが出来る人なんだから。
 そう、あの男が言った。その言葉はわたしの幻想を打ち砕くきっかけの道しるべだった。
――これを飲むといいよ。毎日、お父さんの看護で疲れてる君の役に立つはずだ。
 手渡された錠剤を、わたしは何の疑問もなく受け取り、飲んだ。わたしの中で彼はもう、
信頼に値する人間だったから。
――あんた、直之を頼りすぎじゃない? 直之はあんたの彼氏じゃないのよ。それに、その
服。いい歳したおばさんが、そんなフリフリの服を着て恥ずかしくないの? 鏡を見て見な
さいよ、化け物。
 そう、あの女が言った。女の言うとおり、鏡には生活に疲れ果てた中年のおばさんがいた。
わたしは思った。違う。これはわたしじゃない。だってわたしは魔法少女なんだもの。これ
がわたしのはずがない。なにかの間違いだ。間違いに決まってる。わたしを見るな。おまえ
なんかがわたしのはずがない。違う。違う。
――啓子、どこに行ってたんだ、もう気持ち悪くてかなわんよ、早くおしめを取り替えてくれや。
 そう、父が言った。骸骨のようにやせ細り、皺くちゃの干からびた人間。これがわたしの
父。わたしを魔法少女にするためにその身体を生け贄とした父。――現実を見ろ――脳裏に、
あの男の声がこだまする。飲み下した錠剤が、わたしの魔法を解こうとする。これが、現実?
これが、わたしの人生? じゃあ、わたしは一体なんのために生きているの。わたしは父を
一生看護するために生まれてきたんじゃない。こんな、こんな現実なら――。
「いらない」
あの男と女のまえで、わたしはそう呟く。二人の驚いた顔。わたしは振り上げた包丁を、
躊躇いもなく振り下ろした。こんな現実、もういらない。
Category: 日想  

以前、半生を語るスレで書いたモノ

僕が生をうけたのは八十年代の初頭、激動の時代だった昭和の終わりごろでした。
父と母の二親から四男として誕生した僕は、生まれてまもなく喘息を患い、
2歳まで病院で過ごすことになります。その頃の記憶なんてまったく覚えては
いませんが、母によると、喘息によって器官に唾や痰が溜まり、死ぬ危険もあったらしく、
心配でおちおち寝ていられなかったと、後年、笑いながら話してくれました。
そんなこともあってか、僕の名前は健康運に強いとされる画数と文字で構成され、
五人兄弟の仲でも、一際目立つ、異質な名前でした。ちなみに、中学までのあだ名は〇ッチーです。
男なのに〇ッチー。僕はその響きが嫌いでしたが、わざわざあだ名を変えさせるようなことは、
気の弱い僕には無理でしたので、しかたなく受け入れました。

僕は人見知りが激しく、またとても気の弱い子供だったので、小学校六年生になるまで、
一人も、友達がおりませんでした。その期間の思い出といえば、昼休みに当てどなく学校内を
歩き回る自分の姿です。友達がいなくて恥ずかしい、という気持ちは不思議と抱いたことはありませんでした。
友達がいた経験が無かったですし、なにより、僕には四人も兄弟がおりましたので、学校では、ただ、寂しいな、
としか思ってなかったと記憶しております。

その僕が、どうやって友達を作れたかと言うと、外見の変化のせい、と言えるでしょう。
小学校六年を迎える春休み、僕は兄にいたずらされ、眉毛を剃られてしまったのです。
僕の眉毛はケンシロウのように太くゲジゲジとしておりましたので、兄の手によって綺麗な弧を描かれると、
あら不思議、ダイブ印象が違って見えました。これが自分かと、最初かがみを見たとき思ったものです。
それほど、眉毛と言うのは人の顔に影響を与えるバーツなのでしょう。僕はそれから変わりました。

自分がかっこよくなったと、鏡を見て思った僕は、自身の変化を感じました。それまで、
引っ込み思案で暗い性格だった僕は、蛹から蝶へと変貌を遂げるように、高慢な自分へと変身を果たしたのです。
何故、高慢になったか、不思議に思う方もいるでしょう。原因の最たるものは、兄弟たちが僕に賞賛の嵐を浴びせたからです。
それは始めての経験でした。かっこいい、前とは全然違う、見栄えがよくなったなど、僕にとって唯一の人との接点であり、
信頼しきっている兄弟たちからの賛美は、僕の自尊心を肥大させました。

それからというもの、僕は春休みの期間中、自分がかっこよくなったと勘違いしたまま過ごします。それはとても
楽しく、幸せなひと時でした。子供の頃、誰もが不思議な全能感に浸るものですが、僕にもそのときが来たのです。
そして、始業式を迎えました。その日のことは、昨日のことのようによく覚えております。


僕は興奮からか、よく眠れず、少しばかり睡眠不足でしたが、自分の変貌ぶりを同級生たちに見せるときを思うと、
眠さなど吹き飛び、興奮と不安からドキドキしっぱなしで、朝ごはんもあまり食べなかった覚えがあります。
身支度もそこそこに、僕は少しばかり早めに学校へと向かいました。弟がしきりと僕を冷やかすので、堪えられなくなったのです。


学校へと向かう道すがら、クラスメイト達の姿をちらほら見かけました。でも、僕には友達がいませんでしたから、
当然のごとく、僕に話しかける人間などいません。けれど、僕はいつ誰が気づいてくれるのか、もうドキドキで心臓が
飛び出そうでした。やがて学校につき、教室に入っても、一体誰が僕の変化に気づくのか、今か今かと期待と恐怖が
半々といった気持ちで一杯でした。


しかし、いつまで経っても、僕の変化に気づいてくれる人はいませんでした。クラスメイトにとって空気のような
存在だった僕の、僅かな変化など、気づいてくれるわけがなかったのです。なぜなら、僕は空気だったのですから。
それから家に帰るまでの辛さといったらなかったです。初めて、自分がどれほど惨めな存在かということに気づいたのです。
あの日を思い返すたび、悔しくて悔しくて、今でも動悸をおぼえるほどです。


それからです。僕の中に明確な自意識、というより思春期としての物心がついたのは。僕の小さな世界で、僕という人間の滑稽さと
バカさかげんを明確に認識したのは。自分と同年代の人間に対する嫉妬心。僕にはなく、彼らにはあるものに対する
憧憬。僕はようやぐ万物の長たる人間゙としての第一歩を踏み始めたのでした。


まず考えたのは、友達を作らなければいけない、ということです。学校という小さな社会で、孤独であるということは
罪に等しいものです。異質であることの異常性。誰からも相手にされることのない人生。そんなものはまっぴらです。
では、どうすれば友達を作ることができるのか。考えに考えたあげく、僕は図工の宿題で出された自由課題の絵を利用することにしました。
絵心があり上手だった兄の絵(当時連載中だったドラゴンボールのベジータの絵)を、自分が書いた事にして、提出したのです。


子供というのは単純なものです。ほとんどのクラスメイトが、僕の絵に感心の念を表しました。中には疑念を持つ人も
いましたが、素直に受け止めてくれる人たちが擁護してくれて、僕は歓心を得ることに成功したのです。内心ドキドキもの
でしたが。それからというもの、僕は度々、兄の絵を持ってきてはクラスメイトに見せていました。どういう風に描いたのかも、
兄の受け売りで、実際に絵を描くところを見せないようにするには、少々骨が折れました。しかし、その甲斐あってか、
僕のことを師匠と呼ぶクラスメイトが現れ、その子を中心に、徐々に友達の輪の中に溶け込めるようになり、僕にも友達
というものができました。それはそれは嬉しかったものです。今まで兄弟としか遊んだことのなかった僕が、他人と遊ぶ
ことは、大げさですが驚異の連続でした。友達とはこういうものなのだなと思ったものです。


友人を得た僕が次に目を向けたのは、ファッションでした。なぜかって、それを聞くのは野暮というものです。
そう、女子です。異性への興味。六年生のとなれば、小学校ではトップの子供達ですし、来春には中学が待っています。
興味を抱かないほうが不思議というモノです。ですが、僕の家は八人家族ということもあり、服は主に兄のお下がりでした。
おこずかいもすくなく、家計に四苦八苦していた母の背中を見ていた僕には、おこずかいアップや、洋服をねだるのも
気がねしてしまいます。そこで目をつけたのが、ヘアバンドでした。姉が持っていた黒のヘアバンドを貰い受けた僕は、
それを付け学校に行くことにしたのです。女の子が付けるモノを使うのはなかなか勇気のいることでしたが、
僕にはその手以外いい方法が思いつかず、一大決心のすえのヘアバンドでした。


次の日、学校へと繰り出した僕は、友達との合流地点に向かいました。友達がどんな反応を示すのか、ドキがむねむねの
僕を待っていたのは、予想より控えめな反応でした。友達にとってはさして心を動かされることのない、
ふーんそっか、といった具合の、取るに足らない出来事のようでした。これは失敗したな、と失望するとともに、
クラスメイトの、特に女子の反応が怖くなった僕は脱兎のごとく家に逃げ帰りたくなりました。
しかし、女子の反応も、友達と似たり寄ったりでした。僕はほっとするとともに、失望もしました。なぜなら、
僕はそこまで興味を持たれる存在ではなかったからです。それも当然です。ほんの少し前までは、僕は空気と同質だった
のですから。でも、友達を得、普通の子供としての人生を歩み始めていた僕の肥大した自意識には大ダメージでした。

そして中学にあがり、高校を経て、受験に失敗してフリーターとなり、今は立派なニートです。   終
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お題『アンドロイド』

 かちかち、とブラウザ上をクリックして、ニュースなどのトピックスを見ていく。
パソコンを買ったころからのこの習慣は六年後の今でも続いていて、大してニュース
などに興味もないのに、ついつい見てしまうこの癖は、自分でも不思議で仕方がないの
だがやってしまうものはしかたない。逆にやらなければ変な感じがしてイヤな自分がいる。
そう、これはもう俺にとっての儀式であって一日のリズムを刻むためには通過しなければ
ならない一つの通過点なのだ――。なんてことを考えながらニュースの欄を眺めていると、
ある記事が目にとまった。

>『青少年厚生施設会館』が開講、最先端の技術であり媒体であるアンドロイドを君に!

 なんて書いてある。読みすすめていくうちに、要約がわかった。つまりはこうだ。
一に、ニートや引きこもりの支援施設であり、ニに、生活必需品とまで化したアンド
ロイドについての講義を受けられる。三に、その本講卒業者にはなんと大手メーカーの
社員としての道も用意されている、ということらしい。いつものごとく、胡散臭い記事
ではある。しかし、俺の目を惹いたのは、無料、という二文字だった。
 タダに勝るものはない。しかも寝食付きで専門講師から実践技術を学べる。これほど
うまい話があるだろうか? ないね。ない。でも、もし裏があったら――。
 そんな思考を遮るように、ポーンというシステム音が鳴り、メールが届いたのが
分かった。開いてみると、俺にとっては毎度おなじみミンクからのメールで、早速
メールを開いてみる。するとそこにはこんな文章が書かれてあった。

>もう会議始まってるけど、まだ来ないの? てか寝てんの?

 いつもながらミンクのせっかちな所にちょっとイラっとしつつも、すぐ行くと返信する。
スカイプを立ち上げると、ものの数秒でコール音が鳴り響いた。どんだけせっかちなんだよ、
と思いつつ、ワイヤレスマイクを耳にかけ、通話に出る。
「おせーぞユウ、いつまで寝てんのぉ? 日本人の癖に時間も守れないとか終わってるし」
 そうそうにミンクの、女にしか出せないあの、なんというか表現しづらいヒステリックな
感じというか、とにかくそんな特有の、小ばかにした言い方にイラッとする。
「まあまあミンクさん、遅れたって言っても五分ぐらいじゃない。めくじらたてないたてない」
 ナイツさんは打って変わって気が小さそうな、優しいお兄さん的な声。もう2年ぐらいの
付き合いになるが、怒った声を聞いたことがない、温厚な人だ。泣き声はあるけど。
「そお? まあ、ナイツさんがそういうならいいけどさぁ」
「あーもう、朝からうるさいんだよおまえは。その口調直さないといつまで経っても処女の
ままだぞ。あっ、そのまえにデブだから相手にされないか」
「はぁ? マジむかつくんですけど。チョベリバなんですけどぉ?」
「死語使ってんじゃねーよババア。羊水と一緒に脳細胞まで腐り始めてやがんのか。
時代に取り残され、売れ残るミンクばあさん哀れ合掌、チーン」
「合掌とかウケるんだけど! つかなになに、ユウ君はぁ、もしかしてっつうかifっつうかぁ?
わたしにぃ、こ~い~しちゃったんだったぶん? きづいてな~いでしょぉぉぉ?」
「は? ありえないから。その足りない頭で考えてみろよ。俺と、ふん、おまえが? つきあっちゃう?
確立を? A~han?」
「おまっ――」
「はいっ! そこまでっ! それ以上いいっこなしっ! じゃないと僕もう帰るよ」
「ごめんナイツさん、ミンクがいつものやつやんないと調子でないらしくてさ」
「それはアンタでしょ! いい加減にしろよっ!」
「はいはい、僕がわるうございました、ミンクお嬢様」
「……うむ、わかればよろしい」
「ふぅ。さ、いつものつまらない夫婦漫才が終わったところで、今日の会議、何するか覚えてる?」
 会議。そういえば何の会議だっけ。そもそもこの会議って何で始まったのか一瞬わからなくなる。
「あれでしょ、あれ。ほら、あれよあれ」とミンクがおいおいオバちゃんじゃねーかと突っ込みたく
なるようなオバさん定型文ベストスリーみたいな事を言い、呆れ、まあミンクなら仕方ないかと独りごちる。
「……ミンクさん、もしかして、覚えてない?」
「いやや、覚えてるんだけどね、そのぉ、あの、言葉が出てこないのよ、これが不思議なことに。
なんだったっけなあ、ユウ?」
「実は俺も覚えてない、ごめんナイツさん」
「……そ。まあ、なんとなく予想はついてたけど、まいっか」
「おkおk、後ろを見てもしょうがないよ、前だけ上向いてあるいてこっ!」
「おまえが言うと説得力ないけどな。で、忘れててなんだけど、今日の会議なんなの?」
「……今日の会議はね、僕たちニートが、いつこの環境から自立への道を辿れるか、その方法を
話し合う会議、だったんだけどね」
「あー、そうそう、そだったねぇ。でもウチ、やっぱりまだコワいなあ、働くこと」
「ああ、もちろんいますぐ、というわけじゃないんだよ。ただ、いつまでもこのままじゃいけないし、
いつかは自立せざるをえない状況になると思うから、その前になんとかしよう、ってことだよ。
そもそも、僕たちがこうして話してるのって、対人恐怖症で、人と話すのが苦手だったから、それを
克服するためにはじめたものだったじゃない? それで、僕がこういうのもなんだけど、話すことに
関してはみんなわりと慣れたんじゃないかなと思うのね? だから、これを機に、どんなカタチでも
いいから、一歩、踏み出してみない? っていう会議だったんだけど……、ユウはどう?」
「んー。俺は賛成かな。いつまでもこうして話してても、前には進めないしね。怖い気持ちはあるけど、
二人が一緒ならさ、なんというか、頑張れる気がする、かな」
 本音に触れると、やっぱり緊張は隠せなかった。外へ出て、何かをする――そう考えるだけで、胸が
ドキドキする。でも、俺にはミンクとナイツがいる。口には出せないけど、二人にはすごく感謝してる。
顔も知らない二人。mixiの同市内ニートのコミュで知り合って、早二年。この二年間の付き合いで、多少、
友情、なんてものが俺の中に生まれ始めている。そのことを悟られたくなくて、俺は二人にそっけなく付き
合っているけれど、二人はそれを当然のように向かい入れてくれる。地獄だった高校生活、死にたかったあの頃。
俺が今生きているのは、二人がいるから。そう言っても、過言じゃない。二人には絶対に、いわないだろうけど。
「うん、そうだね、三人一緒なら、大丈夫だよ、きっと」
「そだね、ウチもそう思うよ」
 照れくさそうに、ハニカミながら言う二人の顔が想像できて、ちょっと微笑ましかった。なんだか、幸せ、
ってこういうことなのかな、なんてクッサイ言葉が浮かぶ。
「それでね、僕、まずはボランティアから始めたらどうかと思うんだ。公園の清掃とか、海岸の清掃とか。
話の出所は引きこもり支援の人で、ほら、前に入らされそうになったときから、知り合いなんだけどね。
その人がうちにこの前来て、ボランティアはどうか、って話を聞いたんだよね。まだ返事はしてなくて、
僕、二人が行くなら行こうかなと思うんだけど、どう、かな?」
 ちょっとした逡巡。いくか、いかざるべきか。俺は二十歳で、二人の本当の年齢は知らないけど、ナイツさんは
話し方とか、物腰の柔らかいところなんかを見て、もうすぐ三十ぐらいなんじゃないかな、と思ってる。
ミンクは俺と同年代だろうか。女はよくわからないけど、ミンクがはじめて自己紹介をしたとき、二十三歳、
デブだと自己申告したことから、俺は事あるたびにデブと意地悪を言ってしまう。だからだろう、俺の中の
ミンクのイメージは、ボッチャリとした女性の人、でしかない。声以外深くは知らない、いってみれば声だけの関係。
その希薄さと居心地の良さは、風が吹けばすぐにキレそうでヤワな関係だけれど。それでも、仲間がいるという
安心感と、話す相手がいる楽しさは、俺にとってもう、かけがえのないものになっていた。
「なんかこうして言うのも照れるけどさ、まあ、うん、踏み出そうぜ、俺たちの一歩を」
「ユウもたまにはいいこと言うじゃん。うんうん、踏み出そうよ、一歩を」
「そうだね、踏み出そう、僕たちの一歩を」



――――――――――――――――――――――――――――――――――――



 この暮らしをしてから分かったことが二つある。仕事はコミュニケーションであり、生活も、コミュニ
ケーションである、ということ。俺たちニートが親に対して申し訳なくなればなるほど、親との間の壁は
どんどん高くなり、絶壁になったところで、親とは無視する関係になってしまう。同じ屋根の下に住んで
いるけれど、家族じゃない、他人のような存在。血のつながりなんてどこへやら、結局、人と人を結びつけるのは、
お互いが歩み寄ろうとするコミュニケーションなんだな、と思う。ミンクやナイツの家庭がどうなっているのか、
実際に知らないし、言わないだろうけど、なんとなく、同じなんじゃないかな、って思う。程度の差こそあれ。
 だから、会議が終わった後、普通の人たちが夕食と呼び、俺たちは朝食と呼ぶモノを食べているとき、ふと
思ったんだ、見方を変えれば難しいことも、簡単に思えるモノなんだな、って。人と人の関係って、実は
単純で、そんなに深く考えるほどのものでもなくて、俺たちが変われば、物事はスムーズに進むんだろうなって。
でも、そんなに簡単に変われるなら、俺たちは存在していないわけで。
 考えても仕方ない。行動しなきゃ変われないんだから。それを、ミンクとナイツが教えてくれた、というか、
目を開かせてくれた。今まで決して見ようとはしなかった尾根の先。そこに立てたら、俺たちは変われるんだろうか?
俺たちは、幸せになれるんだろうか?



――――――――――――――――――――――――――――――――――――



「――ちょっっっっっと! マジ、で、きつ、い……」
「辛いなら休憩していいんだよ、ミ――、ちゃん」
 ミンクが左右の肉をぶるんぶるんと揺らしながらラジオ体操を踊っている様は、滑稽で笑いそうになったけれど、
ミンクの辛そうな横顔を見てたら逆に可哀想になってしまった。そのミンクに大丈夫だよと笑いかけるナイツ。
 二人を初めてみたわけだけれど、不思議と違和感がなかった。想像通りの人というか。ミンクはボブカットで
丸顔のちっちゃなデブで、その肥えた肉体をピンクのジャージの下に隠していた。痩せれば可愛いだろうな、と思う。
口の悪い女はアイムソーリーだけれども。ナイツは気のいいおじさん、って感じで、眼鏡にポロシャツ、ジーンズに
通した身体は骨ガラみたいな、絵に描いたような気弱なリーマンって感じ。初めて会ったのに緊張はしなかった。
やはり、この二年間の付き合いは無駄じゃなかった。俺たちの間には、気安い友人という空気が流れている。
ミンクはスカイプで話していたときと同様、同じテンション。ナイツは――どもってる。緊張してるのかな。
 俺たちが今いる場所は市の中でも一番でかい公園の中の草原広場で、これからボランティアの一環としてゴミ拾いを行う予定だ。
総勢三十名ぐらいの人たちと行動を共にするのは久しぶりのことで、不安と期待が半々? みたいな、なんか
表現しにくい気持ち。俺たちみたいなタイプの人もいるみたいで、横目で観察してるんだけれど、よくわからない。
実はニートって、話したりしてみないと分からないものなのかもしれない。
「――あの、ねえ、ゆ、ユウ君?」
 ナイツのひそひそとあたりをはばかるような声に振り向くと、なんだかどうしていいかわからないような顔をしていた。
「どうかしたんですか?」
「いや、その、いまさら、なんだけどね。僕たち、名前、どうしようか」
 名前。確かにそうだ。俺はユウだからまだしも、ミンクとナイツはハンドルネームだから呼びにくいだろう。
なぜ事前に気づかなかったのか。やはりニートになると脳細胞もニート化するらしい。
「あ……。と、とりあえずナ、ナ、ナ、ナナセさん、でどうですか?」
「あ、いや、僕はその、ほんと今更なんだけど、ホンダ、っていうんだよね。それで、知り合いの人と話をしてるから。
ユウ君はそのまま、ユウ君、でいいんだけれど、あの、それで、彼女……は?」
 ミンク。俺たちの小さな悩みもなんのその、たかがラジオ体操でヒィヒィ言ってる女。こんな女を見ていると、
人間ってほんとに種族がいっぱいだな、なんて思うんだけれど、それはおいておいて。名前、か。ミンク、ミンク、ミンク、
ミンク。逆から読むとクンミ。クミでいいか。こんな女にはこれで十分だ。
「クミ、とかどうですか?」
「あっ、うん、そうだね、それでいこう。クミちゃんには僕から話しておくから」
「はい」
 ナイツは早速ミンクに向かってひそひそと「きみ、なまえ、くみ、になったから、あの、ここだけの名前だけど、よろしくね」と
つっかえながら言っていた。ナイツはホントに気が小さいんだな、と思う。俺はミンクを見た瞬間から下に見てるけど、
ナイツの中ではまだ同等らしい。びっくりさせたら死んじゃいそうなノミの心臓。ナイツは果たして笑って死ねるのだろうか?
「――はい、一、二、三、四っ! 終わりーっ! みなさんおつかれさまでしたー」
 進行役なのだろうか、元気はつらつなおばさんが腕を高く上げると、周りのみんながさぁっと集合していく。俺たちもそれに続いた。
「はい、みなさん、ラジオ体操おつかれさまでしたっ! 今日これから行うボランティア活動は、公園内のゴミ拾いです。
一人ずつに可燃、不可燃のゴミ袋と、トングをお渡ししますので、しばらくおまちをぉ」
 おばさんは脇においてあった大きなカバンからゴミ袋とトングを取り出し、参加者に配り始める。
「――っふううううう……。ラジオ体操って、意外ときついんだね」
 ミンクが一目もはばからず、はあはあと肩で息をしていて、こいつはほんとに対人恐怖症なのかと思ったけれども、
多少の齟齬ぐらい、二年の付き合いなんだから水に流してもいいか。
「あっ、ユウ君、クミちゃん。今日は僕ら三人行動だから、他の人と一緒にはならないから、安心してね」
 ナイツがそう言うと、ミンクは当然のような顔でありがとうをいい、俺は――ナイツがミンクをちゃんづけで呼んでることに、
なぜかすごい違和感を感じていた。なんでだろう?
「はいこれ、あなたの分ね。頑張って公園を綺麗にしましょうねっ!」
 にこやかに、そして元気にはきはきと喋るおばさんを見るのは小学校以来で、少しばかり萎縮したけれど、俺は
どうどうと道具を受け取れた。そんな自分に満足する。小さいなあ、とも思うけれど、リハビリと思えばいい。これは
俺が真人間になるためのリハビリなんだ。そうだ、リハビリだ。レッツ・リハビリ。
「クミちゃん、ユウ君、あっちから行くことになったから」
 ナイツの指差す方向は、遊戯広場で、子供たちが多くいる場所だった。さすがにこんな朝早く――といっても午前十時――には
いないだろう。子供なんてウザったい奴らの相手なんて死んでもしたくない。俺は高校受験以来、神に祈った。
「クミちゃん、どう? だいじょうぶかな?」
「あっ、うん、もうだいじょびだよっ! いやぁ、久々に身体動かしたら体中がビキビキいっちゃって、死ぬかと思ったっ!」
 あと一万回ぐらい死ねばちょっとはマシになるかもなぁ。
「そうだよね、長い間身体を動かしてないと、そうなっちゃうよねぇ」
 ナイツの語尾が延びた。なんでだろう。
「ウチ、ほっんとに久々だったからさぁ、ほんと死にそうだったもんホント」
 ホントにこいつはほんとを何回言うんだろうホントに。
「うんうん、分かるよ、僕もそうだったから。急に身体を動かすとね、筋肉がビックリしてね、肉離れを、あの、
起こしちゃうかもしれないから、あの、ホント変な意味じゃないんだけどね、その、マッサージ、をね、あの、や、やろう、か?」
 ナイツが顔をヒクヒクニヤニヤさせながらミンクに言う様は、なんと言えばいいだろうか、鯉が餌欲しさに水面に顔を突き出している、
そんな様、だろうか。傍から見てる分にはおもしろい画だけれど、当人は必死すぎて気づいていないこの変な空気。ミンクが少し気の毒になった。
「えぇぇぇぇ~、う~ん、でもぉ~」
 満更でもなさそうなミンクが媚態、ん? 媚態、でいいんだろうか? とにかく、媚態を羞恥心もなく曝け出している。
「うん、その、抵抗あるのはしょうがないと思う、僕、男だからね。でも、ほんと、決して、そんな変な気はいっさいないから、安心して、ね?」
「う~ん、まぁ、ホンダさんがそういうなら、ねぇ~?」と、俺になぜか同意を求めてくる。なんなんだろうこいつらは。
「あ、じゃあ、足からやるから、ちょっとうつ伏せで寝転がってくれる?」
「もぅ~、ホンダさんに押し切られちゃったぁ? うつぶせですかぁ~?」
「うん、その、楽、な、ね、姿勢で、いいから。ね?」
「はぁ~い、こうですかぁ~?」
「うん、それで、いいよぉ。じゃあっ、はじめるねぇ」
「やだぁなんか照れるぅ~」
「ほら、じっとして、ね? よしっ、はじめるからねぇ」
「うふふふふ、よろしくおねがいしますぅ」
 ナイツの手がボンレスハムに伸び、ボンレスハムをニギニギしたり撫でたり。ピンク色のボンレスハムが凹んだり片寄ったり。
キャッキャウフフ、みたいな漫画的形容詞が似合いそうなワンシーン。俺はそれを一メートルと少しぐらい間隔を空けて見ている。
ナイツとミンクの至福そうな顔。顔。顔。
 俺は一体、ココに何をしに来たんだろう?



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 かちかち、とブラウザ上をクリックして、ニュースなどのトピックスを見ていく。
パソコンを買ったころからのこの習慣は七年後の今でも続いていて、大してニュース
などに興味もないのに、ついつい見てしまうこの癖は、自分でも不思議で仕方がないの
だがやってしまうものはしかたない。逆にやらなければ変な感じがしてイヤな自分がいる。
そう、これはもう俺にとっての儀式であって一日のリズムを刻むためには通過しなければ
ならない一つの通過点なのだ――。なんてことを考えながらニュースの欄を眺めていると、
ある記事が目にとまった。

>『青少年厚生施設会館』廃講へ 無料という言葉の甘い罠!

 はて、なぜか見覚えのあるニュースがある。気になったので記事を読んだところ、次のような内容だった。

 ニートや引きこもりの支援施設であり、就職支援でもあった当館は、とんだ詐欺施設であった。
ニートや引きこもりなどの、今や社会現象とまで言われる社会的弱者を相手取り、”授業”は無料、という
甘い蜜で客を引き寄せ、受講契約後に高価な教科書や機材などを売りつけていたことが、○○によって判明された。
被害総額は延べ一千万円ともいわれており、今後こういった犯罪の模倣犯が現れるかもしれず、差し伸べられた手が
実は罠だったとならぬよう、市民の皆様にはよりいっそうの自己防衛の必要がでてきており――。

 とんだ馬鹿な親もいたものだ。こんな単純なロジックも見破れずに、わが子を更生させようなどと片腹痛いわけで。
そもそもこんなくだらない詐欺に引っかかる親だからそんな不肖の子を育ててしまうんだよな。他人に預けて更生するとでも、
ホントに思ってるのかねぇ? そもそも――。
 そんな思考を遮るように、ポーンと聞きなれた電子音が鳴り、メールが届いたのが分かった。早速開いてみると、
こう書いてある。

>今何時ですかぁ? ねぇ、時間も守れないの? 小学生なの? ねぇ?

 リンゴから催促のメールが来た。でも用件が書いてないから一体何の時間なのか分からないんだよね。
どうして女ってやつはこう馬鹿なのかねぇ? 俺のAndroid携帯のほうが頭いいんじゃね?
 ため息をつきながらスカイプを立ち上げると早速コール音が鳴り響いた。
「もしもし――」


【完】
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共通テーマ『スポーツ』

スポーツ。といえばもちろん、サッカーですよね。Jリーグが創設して早二十年。あの頃、
まさか日本人が超一流クラブでプレイするなんて考えもしなかったのに、今ではインテルの
長友、マンUの香川、そして今冬、ミランに移籍する本田と、ゾクゾクと才能溢れる選手達が
海外へと旅たち、躍動するのをみるにつけ、毎週、海外サッカーを観るのが楽しみです。

でも、何故プロ化して二十年ほどで、これほど日本のサッカーが急成長することが出来たの
か、ちょっと不思議ですよね。要因は色々とあるんでしょうが、やはり、サッカーにおける
日本人への評価を変えたと云われる中田英寿の存在が大きいのではないかと思うわけです。

中田以前にも、海外で活躍した選手はいますが、彼ほど劇的な登場の仕方は後にも先にも彼
だけでしょう。当時、世界最強リーグといわれたセリエAの中でも、優勝候補の筆頭だった
ユベントス相手のデビューで、2ゴールを挙げたのは、正に驚きでした。セリエAダイジェスト
というサッカー番組を食い入るように見ていたのを思い出します。

その中田英寿よりも、評価の高かった人物がいるのをご存知でしょうか。前園? 松田? 
違います。もっと以前、財前 宣之、というサッカー選手が、中田世代の筆頭だったのです。

財前 宣之(wikipedia)

上記をみれば、財前という選手が如何に優れていたかを知ることが出来ます。それほどのプ
レイヤーがいまいちぱっとしなかったのは残念でなりませんが、これもサッカーの面白さなの
かもしれません。

短いサッカー人生の中での儚さ。ゆえの、感動。サッカーというスポーツの魅力に、僕はこれからも
惹かれ、魅せられることを期待している。
Category: 日想  

ニコニコプンプン! ニコニコプンプン!

ペットを飼ったことがある、又は飼っている人はこう思ったことはないだろうか。

ペットには癒しの力があり、それは時に、人の人格さえも、一時的にせよ変えてしまう事がある、と。

先日、姉夫婦の新居にお祝いを兼ねて遊びに行ったんだが、気に入らないことがあるとすぐ
苛々する怒りんぼというか癇癪持ちの姉が、生後間もない赤子のフェレットと接するときは
デレデレに可愛がり、根気よく躾る様を見て、ペット癒力の素晴らしさを再認識するとともに、
あの気難しい姉をこんなにも優しく、我慢強くさせる愛の力に、いつもはクールぶってる
クール党のクールな僕が不覚にも感動してしまうという、クールらしからぬ真似をし、あまつ
さえ義兄が帰宅するまで時間も忘れてペット談義に花を咲かせていたなんて、嗚呼、素晴らしきかな、ペット愛。

んでペットがもたらした姉の意外な一面に感動した僕は、そのほほえましい光景に感化され
たのだろうね、うきうきルンルン気分で帰宅し、早速我が家の天使ショコラちゃんと戯れ始めたさ。

その萌え死にさせるようなキュートな姿声に我を忘れていつになくメロメロになった僕は、
いつもより長くショコラと愛を交わしあったんだけれど、長時間出していたせいか、
俺の縄張りだぜ! 的な調子でマットに小便を撒き散らしてね、いやいやホントにクマッタクマー!
なんて冗談でも言いたくなるほど少々困りつつ、まあなんだろう、若干苛々したのは否めない。

そいでショコラをケージに戻した後、可愛くて可愛くて仕方ないショコラが汚したお気に入りの
マットを洗っていると、僕の中の天使と悪魔が相争うような、怒りつつ笑うような、奇妙な
感情に支配されたわけで、その心境を言葉で表すとすれば、ニコニコプンプン! とでも言う
べきかな、いやーホントにニコニコプンプン!


まあ、ペットの愛らしさ、癒力の凄まじさは折り紙付きのものであり、その魔法にかかれば
誰しも後でニコニコプンプンになること間違いはない、そう、ニコニコプンプンしながら考えていたわけです。

これで終わりなんだけれど、何を言いたかったかというとね、只単にニコニコプンプンって
言いたかっただけなんです、ごめんね(はぁと

ニコニコプンプン!ニコニコプンプン!
Category: 日想  

悠久なる地球

地球が誕生して約46億年、その永遠にも思える永い年月の間に巨大隕石の衝突によって
八回も地球上の生物が大量絶滅していた、と某国営放送の番組を観てびっくり、
下記にうろ覚えだけれど暇なんで感想でも書くとする。

恐竜が地球上の支配者だったジュラ紀、繁栄を誇った大型爬虫類は巨大隕石の衝突による、
地球上を覆ったとされる灼熱の熱波によって大半が絶滅。生き残った少数も氷河期による
急激な気温の変化によって死滅したらしい。

上記のように地球上の主流だった種が巨大隕石の衝突によって八回死滅していたとされるが、
その度に地中ふかくに生息していたことによってことなきをえた微生物等による悠久の進化
からの生命連鎖(適当な言葉が思い付かない)によってその都度、哺乳類なり爬虫類なり魚類?
なり、色んな種の興亡があったらしい。

しかし、驚くべきは生命のタフさとでも云おうか、何度やられても立ち上がる、その強靭な
生命力には「はじめの一歩」を思い出さずにはいられないね。

愚直なまでに生命に、いや生存に酷執する姿勢は、まさに幕ノ内一歩が体現しているボクサーライフそのもの。

……と、戯れ言はさておき、そのような繁栄と滅亡を繰り返してきた生物達のことを考えると、
色んな空想が思い浮かぶ。

例えば、海陸両生可能な半漁人のような生物が存在していたとしたら?
テレビで見たことのある眉唾ものの人魚の遺体、あれは醜悪で奇怪極まりないものだったが、
各地に遺る人魚伝説や、深海の未知なる領域等を考えると、もしかしたら人魚は今も本当に
存在していて、太古に生きた半漁人の子孫なのかもしれない、なんていう馬鹿げてるけど
浪漫に満ちた空想に酔える僕は精神的に子供なのかもしれない。


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共通テーマ『おでん』

おでん。おでんかぁ。特に好きでもないし取り立てて言うべきこともない。
強いて挙げるなら、コンビにのおでんについてだね。あれ、なんで蓋してないんだろう?
客の行き来が激しい店でさ、色んなもんが空気中に滞流してるわけじゃん? んで、蓋して
ないkらおでんの中に色んなもんが入っちゃうじゃん? あれ気にならないのかなぁ、買っ
てる人って。wikipediaでおでんの項目を読んでみたら、

セブン-イレブンでは年間2億7700万個のおでん種が販売されるという

びっくらこいたわ。そんなに売れてんのかと。そんなに美味いのかと。つか汚いという感覚が湧かないのかと。
でもあんまり潔癖すぎるのも実は身体に悪いらしいけどね。ある程度ばい菌取り込んで抗体を
作っといたほうが、長い目で見ると健康的なんだと。まぁ眉唾ものですけどね。

それにしても寒い。手がかじかんでキーボードを打ちにくいったらない。でも夏よりは冬の
ほうが好きなんだよな。何せあれが出ないkらね、あれが。考えるのもおぞましいあれが。

ふと思い出したけど、あれって恐竜なんかがいた時代、体長二メートルぐらいあったらしいよ。
あーやだやだ。思い出したくないのに脳裏に浮かぶわ。嫌なことほどよく覚えてる。
喜びは一瞬、後悔は永遠。記憶ってのは厄介だなぁ。
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共通テーマ『におい』

におい。臭い。匂い。この世にはありとあらゆるモノのにおいに溢れている。良いにおいなら
嗅いでみたくもなるけど、臭いのはごめんこうむる、というのが一般的な思考だよね。
でも、世の中にはわざわざにおいを嗅ぐ変人もいるみたいだ。僕はそれをTVで見て、やっぱり
変態ってのはどこにでもいるんだなぁと妙に納得したものだ。

http://www.youtube.com/watch?v=NKzEXtrgqIM 資生堂 Ag+

上記のCMに出ているババアの名はヒルトップ・リサーチ社のベッツィー・ライオンズという
らしい。いくらCMとはいえ、他人の腋を嗅ぐとは恐れ入る。腋臭、とまではいかなくても、
多少の汗をかいた身体にはその人特有のにおいが出るものだ。
おっさんになって初めて分かる加齢臭のきつさ。特に布団はデンジャラスゾーン。一日の四分の一を
共にする寝具は、ものの一月ほどで奇妙なにおいを醸し出す代物だ。自分では気づかなくても、
他人なら気になるにおい。いくらニートとはいえ、清潔でありたいものだ、と思う今日この頃。
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共通テーマ『コード』

コード。この単語からまず連想されたのがコードギアスなのは僕がアニオタである証左では
ないことは自明の理でありますが一言断っておかないと僕のアイデンティティが誤解を受ける
のではないかという恐れがあったためであり決してアニオタであることを嫌悪しているわけで
はなくまたアニオタと呼ばれる人々を不当に貶めるためでもなく一個人としての弁明であり――

閑話休題。

さて、コードといえば配線のそれでしょう。言うまでもありませんね。コードといえば配線。
常識です。その周知の事実であるコードが、何故絡まるのか。これ、皆さん調べたことありますか?
死ってらっしゃる方も、もちろんいらっしゃることでしょうが、以外に知らない人が多いんですよ、これ。
ちなみにわざわざ説明するまでもなく、ggrばすぐに判明する疑問ですが、それすらめんどい
という方のために、いっちょわたくしめが人肌脱がさせていただきましょうね、はい。

コード・ケーブルを絡まなくする方法: 諸事例の体系的分類による考察
http://www.osaka-gu.ac.jp/php/nakagawa/TRIZ/jpapers/2009Papers/NakaCords2009/NakaCords091122.htm


上記の論文を流し読みして得た原因は、ずばり『分からない』これです、分からないんですよ、ええ。
絡まる要因が書かれていないのは『絡まなくする方法』だから、でしょうね。しかし論文って
しちめんどくさい論述で書かれているんですねぇ。中卒のわたくしには理解する気力すら湧きませんでした。
さらにネットの海を漂えば、答えを得られるんでしょうけど、どうもコードが絡まる要因を
調べる気がおきません。コードが絡まる? なら絡まらないようにしよう。そういうことですね、ええ。
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共通テーマ『旅・旅行』

。このことばが思い起こさせる、連綿と脳裏を過ぎていく記憶がある。それは僕が死を決意して
臨んだ最後の旅だ。僕は絵に描いたような、ダメ人間の典型みたいなクズだった。いや、クズそのものだ。
まともに人とコミュニケーションをとれず、まともに仕事もこなせず、まともに生きるすべを
知らない。そんな僕が自殺を考えるのは至極当然のことだった。
高校受験に失敗し、二次募集のあった定時制高校に滑り込むも、ジジババヤンキーが混在する教室に
馴染めるわけもなく、僕は逃げるように高校を中退してしまった。
今振り返ってみても、自分の人生には後悔の二文字しかない。ifを考えればキリがないことは
分かっていても、考えずには、思い浮かべずにはいられないんだ、自分の成功した姿を。
妄想の中で過去に復讐するのは楽しいとともに、虚しい行為だ。でも、そうやって自浄しないと、
人は生きていけないんじゃないのかな。精神が持たない。だから、自己憐憫に対して、僕は
否定的な考えを持っていない。それは自己を助ける行為だと思っているから。今、現在も。
話を戻すとしよう。
僕は高校を中退したあと、家に居づらくなり、アルバイトを始めた。コンビニ、飲食店、ガススタ、
テレアポ、そのどれも、一年と続かなかった。周囲に馴染めず、その結果居心地が悪くなり、
逃げるように辞める。この繰り返しだった。唯一、長く続いたのが、日払い派遣だった。
ほとんどの場合、知らない人間と単純作業に従事するため、あまり話さなくても良かったことが、
続いた要因だと思う。ほんの少しの間だけの、安らぎ。しかしそれも長くは続かない。
両親はまともに働くよう促し、兄弟は僕に哀れみの目を向ける。またしても僕は戦おうとはせず、
逃げるように、地方で募集していた住み込み派遣へ足を向けた。俗にいうライン工というやつである。
最初に勤めたのは、大分にある、カメラが評判の会社だった。まるで社宅のように民間のマンションを
一棟ほぼ賃貸したワンルーム。三勤交代の業務は一週間毎に替わり、慣れるまで睡眠も満足にとれない。
規定の時刻に送迎バスで出退勤を繰り返し、作業も同様に同じことの繰り返しだ。ライン工を務めた
ことのある者なら一度は必ず思うこと。まるでロボットのような生活。でも、僕には不思議と合った。
ただ作業を繰り返すだけで、何も考えなくていい仕事は、思っていたよりも楽だった。
規定の時刻に出勤し、休憩をとり、退勤後、バスで家に帰る。楽なルーティンワーク。
でも、やはりコミュニケーションを満足にとれない僕のような人間は、時が経つにつれ変人扱いされ、
居づらくなるのは時間の問題だった。僕は六ヶ月の契約満了を待つことなく、次の派遣へと移動する。
次の、そして最後の派遣先は、滋賀県にあるガラス工場だった。防災服に身を包み、粉塵除けのマスクを
つけ、ラインからラインへと流れていくガラスを検査し、梱包していく。以前と同じような勤務体系だった
ため、比較的楽に仕事に馴染めることができた。僕よりもダメなおじさんがいたりして、ちょっとした
優越感をもてたりもした。でも、時間とともに、居づらくなっていくのは同じだった。
パチンコやキャバにうつつをぬかす同僚達には、どうしても馴染めなかった。彼等と友誼を結ぶためには、
飲み会という荒波を航海しなければならない場合が多々あった。行けば、多少は馴染めたかもしれない。
でも、僕は嫌だった。仕事以外で彼等と顔を合わせることが。話をすることが。仕事が終われば家にこもり、
好きなことをしていたい。僕はいつもそうやって逃げてきた。脳裏に浮かぶのは死の一字。
仕事なんてしたくない。でも働かなければ生きて行けない。でも労働は嫌だ。死にたい。でも怖い。
だから生きていたい。でも生きるには労働が必要だ。考えれば考えるほど、思考は堂々巡り。
そして、一年に一度稼動をストップさせる年末に、僕はミスを犯し、叱責を受けたことがきっかけで全てが
いやになり、死のうと思った。もう嫌だ。生きていてもいいことなんてないじゃないか。最後にパーッと
金を使って楽しもう。そして、死のう。僕は死ぬためのたびをすることにした。
体調不良を理由に、休日までの二日間を欠勤し、その間に部屋の中の物を処分する。マンガ。小説。
アニメや映画のDVD。未練はなかった。だって死ぬんだから。必要のないモノは金に換え、深夜、こっそりと
家を抜け出す。手にあるのは着替えと貴重品を詰めたキャリーバッグのみ。八月の夜、不思議な開放感とともに
駅を目指したあの日、なんだかとても愉快で、いつもと違う空気を感じた。初めての気分。不思議な高揚だった。
死ぬ場所は既に決めていた。故郷にある、子供の頃によく遊んだ、小高い山に隣接するアスレチックパーク。
その山の頂上付近に、少しひらけた場所があり、眼下の町並みを見下ろしながら死ぬのも悪くないと思っていたのだ。
故郷へと向かう新幹線の道すがら、携帯で手ごろなビジネスホテルに一週間の予約を取り、一度経験して
みたかった風俗というもののサイトを巡り、三時間・八万円という高級ソープを探しあてた。
結論から言うと、大したことはなかった。綺麗なお姉さんがあんなことやこんなことをしてくれたのは
気持ちよかったが、こんなもんか、という気持ちのほうが大きかった。
行ったことのない高級レストラン、行ったことのないCLUB。どれもこれも想像より大したことのない代物だった。
そうして金を使い果たした先に向かうは、あの場所。買っておいたロープを手に、懐かしい山を登る。
山道を散歩しているおじさんおばさんを尻目に、黙々と足を運んだ先に、木造のベンチが一つだけぽつんと
ある、小広場があった。記憶よりも荒んだ光景に、少し薄気味悪さを感じつつ、ベンチへと腰を下ろす。
暗くなるまで待つこと小一時間、僕の頭には死への葛藤が渦巻いていた。死ぬことが怖い。でも、もう
後戻りはしたくなかった。いや、できなかった。家出同然に飛び出した家族に、今更顔を合わすなんて
考えられない。仕事もしたくない。死ぬしかない。死ぬしかないんだと、自らを説得した。
木の枝にロープを垂らし、定型的縊死を試みるも、苦しくて断念した僕は、ベンチのてすりにロープをかけ、
否定形的縊死を試みることにした。首吊り考察サイトの通り、頸部大動脈を圧迫しながら、意識が遠のくのを
待つ。徐々に気持ちが悪くなってくる。これがオチるというモノか、と、下痢のときに感じるような
気持ち悪さと、せりあがってくるような気持ち悪さが混同した感覚に気持ちを揺さぶられながら、
僕は確かに意識を失った。気づいたとき、すさまじい喉の痛みと吐き気から、がむしゃらにロープを外す。
眩暈のする身体に朦朧としながら、止まぬ咳と痺れたような身体にもんどりをうつ。
気持ち悪さが引き、星のない夜空を見上げながら、僕は失敗したことに気づいた。
もう一度試みる気にはなれなかった。あの感覚が怖かった。死を実感して、僕は死がそら恐ろしくなった。
自殺なんて無理だ。そう思った。でも、今はどうだろう。文字を連ねながら、あのときのことを思い出す。
今なら、できるかもしれない。でも、今の生活に満足している。僕はもう一度追い込まれない限り、
自殺を決行することはないだろう。きっと。でも、いずれ。

Category: VIPでテキストサイト『共通テーマ』  

共通テーマ『インターネット』

インターネット電脳世界バーチャルワールド。そのどれもが、なんとなく実感の湧かない
言葉なのは、僕自身がネットワークについて詳しくないからだろう。
ぼくにとってインターネットとは、ただ単にネットサーフィンを行う為のツールでしかない。
いや、もしかしたら、PCを持っている人間の過半数は、そうなのではないのか? と思うのは、
自意識過剰な僕の勘違いだろうか。
と書いたところで、社会人の存在を忘れていたことに気づく。そうだった、彼らを含めば、
とても過半数などという世迷言は述べられない。だがしかし、ちょっと待って欲しい。
僕が仕事で使わない為に、そう思ってしまったのではないのか? つまり、プライベートに限れば、
『インターネットとは、ただ単にネットサーフィンを行う為のツールでしかない』
のではないのだろうか? 仕事という要素を排除すれば、多くの人間は動画を観たりしている
だけなのでは? ここで僕は一つの真理を思い出す。
『人間とは、本質的に奴隷体質であり、怠惰な生き物である』
ということは、最初に僕が思っていた仮定は、実は正しいのではないのか? これは創作物にも
言えることで、昨今のアニメを鑑みてほしい。九割クソであるのは賛同を得るまでもない事実であり、
TVも、映画も、小説も、素晴らしい、と心から思えるモノは、全体の一割程度なのではないのか?
現代には簡単にアウトプットできるツールが溢れており、それを用いて手軽に創作なり何なり
出来てしまうことが、全体の質を落としているのだろうが、これは由々しき事態なのではないだろうか。
大抵のモノを簡単に手に入れられてしまうために、『楽』をしてしまう。それがために、
過程がおろそかになり、結果、無残なモノが溢れる事態に陥ってしまったのではないだろうか。
でもよくよく考えてみると、ガラクタが飽和するのは先を見越して考えると、いい事なのかもしれない。
誰しも最初から満足のいくモノを創れるとは限らないのは周知の事実だし、それだけ多くの人間が
創作に関われば、良いモノも増えるということなのではないだろうか。
つまりこの飽和の時代に必要なことは、より良いモノを見抜く審美眼だ、ということだろう
疑問が氷解したところで、筆をおくとしようそうしよう。
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共通テーマ『スク水』

スク水。この単語を思い浮かべたとき、多くの、いや九割の人間は、女性用スクール水着を
思い浮かべたことだろう。確かに、被写体として鑑みれば、女性のほうが美しいのは当然の
ことだし、自慰の対象としても女の子用の方が適していることは言うまでもないだろう。
だが、ちょっと待って欲しい。男の子用だって実は、自慰の対象として通用するのではない
のか? 被写体としても、美しいモノがあるのではないのか? という疑問が浮かばないだ
ろうか。よく、考えてみて欲しい。いわゆるショタという性癖を持つ者でなくても、これは
一考の余地があるのではないのだろうか。
思い浮かべてみて欲しい。中性的な美しい少年の姿を。スク水を着て、ちょっとはにかんだ
ような顔を浮かべた初々しい少年の姿を。僕はそこに、一己の憧れを見出すんだ。
理想という名の憧憬。誰しも、中性的な人間に憧れたことがあるのは聞くまでもない事実だ
ろう。僕はその美しい少年に自己を投影する。そして妄想というパンドラの箱の中で、僕は
彼として、色んなことを妄想するのだ。そう、僕が言いたいのは少年のスク水を自慰の対象
にするのではなく、少年を媒介としてあらゆる妄想の世界へ自己をいざない、自慰を行う事
なのである。
と、ここまで大げさに書いてきたが、大して驚くべきことではないな、と書いた後に思うイブの
夜であった。

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