散文誌

日記・小説

Sort by 03 2014

Category: VIPでテキストサイト『共通テーマ』  

共通テーマ『桜』

桜と言えば入学式。開花が早ければ、卒業式にも相まみれる美しい花弁のイメージがある。出会いと
別れのシーズンだ。ある者は未来への高なる希望に胸をときめかせ、ある者は短からぬ時を過ごした
者たちとの別離に哀切の思いを胸に抱く。社会に出れば、花見という行事にかこつけて日頃の鬱憤を
これでもかと晴らすべく酒に酔い、人の世の酸いも甘いも知り尽くした老残の身には、煌めく過去の
残照を垣間見る、美しく儚い桜。人はそこに、何を見るのか。美しい桜の花を見る目には、何が映っ
ているのだろう。未来への希望か、はたまた過去への哀愁か。そして、人とともに大地に寄り添い、
自らを額縁として人の世をつぶさに見てきた桜は、何を思うか。愚劣なる人の世の有り様。魯鈍なる
進化への歩み。人間らしさを形成する感情と思考。希望や可能性といった形の無いモノに縋る矮小さ。
神ならぬ身で何を考えようと、感情も思考も持たぬ傍観者の桜に神の代弁者を気取らせても詮無い事。
桜は咲き、そして散ってゆく。同じように人も咲き、散ってゆくのだ。それだけ。それだけのこと。
スポンサーサイト
Category: VIPでテキストサイト『共通テーマ』  

共通テーマ『忍者』

忍者、と言われても僕のイメージは世間一般のそれと変わらず「暗殺者」といった影に生きる者達の
印象しかない。平たく言えば、忍者に関する知識なんてほとんど持ち合わせていない、というのが現
状だ。その乏しい識見で、何を語れというのか。僕は一寸悩んだあと、ある言葉が脳裏に浮かんだの
を知覚した。

くのいち

である。影武者徳川家康によるところの、女忍者――くのいちの役割とは、補助であると書かれてい
たように思う。男忍者が攻撃、オフェンスを司り、女忍者=くのいちがその背中を守る、いわばディ
フェンスの役割だ。身体的に優る男が道を開け、女が踏み固める、そんなイメージ。

だけれど、くのいちと聞くと、どうしても淫靡な匂いを感じてしまうのは世に溢れたエロのせいだろ
うか。女の武器を用いて、そっと寝首をかく。そのイメージが強すぎて、忍者とくのいちを分けて考
えてしまうのは男の性なのか。ほんの一足、足を踏み外せば奈落に落ちる危険と隣り合わせの淫靡な
任務。秘部に刃を忍ばせ、寝所で真価を発揮するくのいち達。快楽の愉悦と死への苦痛はどちらが勝
るのだろう。生命を創成させる行為への興奮から一転、真逆の行為による苦痛に身を焼かれる憐れな
男達。快楽と苦痛はどちらが勝るのか。気になったら即行動、なんてアクティブな人間ではない僕な
のに、何故か今このときばかりは実践する気になるのは、くのいちという単語が自慰を催す扉となっ
たのか、はたまたただの酔狂か。御託はいいからやってみろ、そんな声に促されてお気に入りのフォ
ルダを開き、下半身を露出させて、マイサンをニギニギ、おもむろにしゅぽしゅぽと走り出したら止
まらない導火線に火をつける。股間に集約される快感と、のぼせるような頭の火照りに身を任せ、一
心不乱に機関部に動力を与え続け、そろそろ達しそうな頃合に、舌を噛み、苦痛を生じさせた。
ほぼ臨界点に差し掛かったいたせいか、痛みで減じられた快感の中でも、マイサンはその爆発までの
歩みをとめず、噴火口から爆ぜに爆ぜた。急速に冷める意識と身体の感覚のなか、脳裏に浮かぶのは
違うという違和感。これじゃダメだろ、これじゃなんか違うだろという否定の感情。その差異に気づ
いたのは、後処理を施し、キーボードを叩きながら至った現行を書いていたときだった。
哀れな男達がくのいちによってその命を散らせたとき、彼らは先の苦痛を予期していなかった、とい
うことに。彼らは快楽に身をゆだねたまま、突然の苦痛によりこの世を去ったのだ。今、いや先ほど
僕が実践した行為との違いは正にそこにある。予期せぬ苦痛。これではどちらが勝るのか、実践しよ
うがない――。

虚しさに支配されたサタデイモーニング。無駄にした時間を惜しむ心もつかの間、僕は打鍵の手を止めた。
Category: VIPでテキストサイト『共通テーマ』  

共通テーマ『恥ずかしい話』

恥ずかしい話、僕は「彼女」という存在を持ったことがない。作ろうと思えば作れるとか、
強がったりはしないよ、僕は臆病で、人見知りで、バカなどうしようもない男なんだって
ことは自明の理だし、以前にも書いたことだしね、そもそもよわい三十にして、今更彼女を
作りたいとも思わない、別に強がってるわけじゃないよ、もう諦めてるだけってこと。

だから、彼女居ない歴=年齢だとしても、今は恥ずかしくもなんともない、むしろこれは
オスに飢えているメスどもには好判断材料なんじゃないかなと思うわけ。

だって考えてもみてよ、誰とも付き合ったことの無いまっさらで少年のように純粋な彼女童貞と、
酸いも甘いも知り尽くしたヤリチンだったら、自分色に染められる前者、つまり僕を選ぶんじゃ
ないかな? 少なくとも、僕はそうだ。

貴重なアラサー童貞、貴女色に染め上げてはいかがですか?

なんて帯でもつけてヤフオクに出したら買い手がつくことまちがいなしだねっ!やったね、僕っ!

1234567891011121314151617181920212223242526272829303103 < >