散文誌

日記・小説

Sort by 05 2015

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先人に倣う

憎まれっ子世にはばかる、という言葉が示す通り、この世の中は嫌な人間で満ち満ちています。自分と良い関係を築けている、自己にとって良い人間なんて両手で足りる、それが大多数の人間の真実なのではないでしょうか。ヤなヤツとはできるだけ会いたくはないでしょうし、自分の過去の恥部を見知っている人間となると尚更でしょう。歳を重ねる度に、自分にとって都合の悪い人間のリストは連なっていく。嫌悪の多寡はどうであれ、リストに載るような人間ともう一度接点を持ちたいとは思わないのが当然でしょう。

が、しかし。偶然とは怖いモノ。つい先日、これは言えないし思い出したくもない、僕の最も恥ずべき部分を知る、ある人と久方ぶりに再会を果たしてしまったのです。出来れば避けて通りたかった人生の分かれ道。遭遇したくはない人との出会いに、どれだけ注意を払っていても、エンカウントしてしまうときはしてしまうモノなのだ、ということを身に染みて実感しました。あぁ、この世に絶対はないんだな、とも。
いくら強度の強いトヘロスをかけようと、何万分の一の確立で出会うときは出会ってしまうのです。難敵に出会ってしまったらどうするか。これがゲームなら逃走する事が無難でしょう。しかしこれはゲームではないのです。現実という、非常をもってなる世界なのです。ですから、間違っても「逃げよう」などと考えてはいけません。出会って五秒でトンズラ、なんて事をしてしまえば、知人から知人へと、どんな噂が流れるやしれません。想像してみてください。

「そういえば久しぶりにあいつに会ったけど、すぐにそそくさと逃げてったぜ。三十になって、少しはあいつもマシになってると思いきや、相変わらずしょうもないヤツだったよ」

なんて言われているかもしれないのです。想像するだにあんぐりぃ。断じて許せる事ではありません。
でたーみねーしょん。断固たる決意で、そんな可能性を持った未来など握りつぶさねばならないのです。

僕は戦う事を選択しました。眉間に皺を寄せようと押し寄せる嫌悪感をどうにか押し戻し、気を抜けば舌打ちを鳴らしそうな口元に笑みを浮かべる。にこやか、とは言えないまでも、悪感情を相手に悟られないぐらいの仮面を被ることに成功した僕は、先制攻撃を仕掛けました。戦いは先手必勝です。機先を制し、後顧の憂いを絶たねば、先の安眠は約束されない。挨拶もそこそこに、いかにも興味ありげな様子で、こちらからクソヤロウの近況を聞いてやりました。栄達とはいえないちっぽけな出世をさも栄達したかのように語るクソヤロウの心底どうでもいい話に耳を傾けながら、ふと大問題が目の前にぶら下がっていた事に思い当たりました。当然聞かれるであろう自分の近況をどう話せばいいのか、という問題です。仮定の未来で知人が言ったように、僕は相も変わらずしょうもない人間なのですから、事実だとしても言えるわけがありません。それでは戦う意味がないからです。僕は悩みました。皺の無い脳みそに皺を刻みつけるが如く。しかし、知恵熱を出しそうなほど頭脳をフル回転させても、これといって武器となるモノは見当たりません。嘘で真実を糊塗しようかなとも思いましたが、その場限りの嘘などすぐに見破られるに決まっています。どうしよう。どうすればいい。どうしたらいいのか。悩みに悩んだ挙句、パニックに至った僕がとった行動とは。


戦国の荒々しい時代を生き残った有名な大名たちには、共通したある一つの才能がありました。忘れる、という才能です。下克上の世に、裏切りは日常でした。義よりも利を重んじた世情で、うらみつらみは邪魔なだけなのです。昨日の恨みを忘れて、明日の命を買う。そうして生き残った戦国大名たちにとって、忘れるという特技は必須の要素だったのです。

だから僕も忘れることにしました。どんな行動をとったのか、今では思い出せません。連綿と織り成す記憶の回廊の一部は黒く塗り固められている。今後、僕がその一部を修復することはないだろう。

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Category: 日想  

春風邪

唾を飲む、喉が痛い。鼻からボタみず、忌々しい。
じっとじとの倦怠感、お外は雨、ざぁざぁのRAIN、気分はサンデーLOWドショウ、タイトルは怠摂る。

これって風邪ですか、風邪なんですかとブレインドクターにお伺い、「残念ですが」と声を潜めてdiagnosis、あぁなんてことだと嘆く我が身の不甲斐なさを遠くから見ているもう一人の母なる自分は

マザー、Mを取ったらアザー、他人です


どうやら風邪を引いてしまったようです。ゴールデンウィークに風邪を引いてしまうとは、我ながら驚いています。わざわざこの大型連休の真っ只中に、どこそこの旅先、ではなく我が家にいながら貧乏くじを引いてしまうこの凶運たるや。

でも、モノは考えようです。何の予定も無いまま、ダラけたいつものルーティンの中に突如組み込まれた「風邪」という項目。これはもしや、毎夜々々、孤独に咽び泣いていた僕を哀れんだ女神が与えたもうた「予定」なのではないでしょうか。毎年空欄だったスケジュール帳に、風邪という予定が書きこまれる。知人に会い、GWは何をしていたのと聞かれても、いや、残念な事に風邪を引いてしまいまして……、と言い逃れる理由が出来るのです。引いてなくてもどうせ予定なんてなかったんだろ、という知人の顔が透けて見えそうですが、事実は事実です。例え肯定しそうになっても、真実なのですから討ち入り武士のように毅然と否定しましょう。葛藤という町民の間を押し通るのです。

「押し通るッ!」

そういえば、夏風邪、とは言いますが、春風邪、とは言いませんね。ですが、季節の変わり目は体調を崩しやすいのですから、言っても構わないって、はるかぜちゃんが言っていました。僕も……そう……言……おう……と……お……もい……ま……す……。ばたんきゅー。

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