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共通テーマ『梅雨』

目が覚めてカーテンをひくと、どんよりした空からしとしとと、またはざぁざぁと雨が降っていた。
梅雨前線到来である。カビとダニと湿気の季節である。それ単体ではどうということはない、詰まら
ぬ事象にすぎないし、好きというわけでもないけれど、変化を好みながら変節を望まない、起伏と向
上心のない人生に、雨でもカビでもダニでもいいから変化をもたらしてくれるなら歓迎するよ。が、
長期間続くとなると、話は別だ。何故かってうんざりする。「だって」「やっぱり」「そしたら」等
と言うメンヘラの繰言のように止む事がない。さながら天の愚痴を聞いているような気分。

変わり映えのしないいつもの日常に、纏わりつくじめじめとした空気が加わる。それだけで、自分が
なめくじになったかのような錯覚に陥らせるのだから、梅雨と引きこもりの相性は良くないと言える
だろう。雨だと外に出る理由が少なくなるから好きだの、子供なんかの喧騒が消えるから好きだの、
自称ニート及び引きこもりの社会性廃棄物はよくそう言うけど、僕は違う。少なくともそれが理由で
雨の好悪に繋がるわけじゃない。僕が雨を嫌うのは、憂鬱を呼び込むからだ。そしてその憂鬱が、記
憶の澱にまで深く沈んだとき、思い出したくもない事柄に思いを寄せずにはいられないからだ。

一人、心の内で過去と対峙しながら物思いに耽る。梅雨とはモノローグの季節なのだと僕は思う。

そこで今回は、特に印象深いモノローグを多用した作品について触れよう。

まず思い浮かんだのは【彼氏彼女の事情(アニメ)】である。1998年10月から翌年三月まで放
送されていた、エヴァの庵野秀明監督作品だ。世紀末、ノストラダムスの予言が巷を騒がせていたお
りもおり、僕は一向に捗らない受験勉強に嫌気が差し、半ばやけくそで滅亡しろと密かに信じていた、
というよりは願っていたくちである。今でも終末予言なんかを聞くと、少なからず心が躍る。
そういう鬱屈を抱えていた時期に、このアニメが放送された。最初は少女マンガ原作ということもあ
り、あの時分の男子なら共通の偏見、女がみるモノを男がみるなどナヨナヨしたオカマ野郎といった
風潮のせいか、観る事を躊躇させる気持ちがあったのだが、一家団欒の席でたまたま点けたテレビが
このアニメだった事と、家族の誰もが他の番組に変えようとしなかった事もあってか、仕方なくなん
ともなしに観ていたところ。これが大ハマリしてしまったのであった。
内容は、才色兼備な男女の恋愛模様であるが、一見して優等生な仮面の裏には、正反対の浅ましい顔
が隠されていて――。という、誰しもが持っている二面性を、ときにシリアスに、ときにコメディに
と、モノローグを多用しながら描き、それは当時の僕にとって斬新であり、かつ高校生活という、す
ぐ目の前の未来からのおとないのような気がして、未知の世界への期待を刺激しまくったモノである。
かといって、その影響を受けて受験勉強が捗ったかといえば、それはまた別の話であって。そもそも
勉強なるモノが嫌いだった僕が一時的にやる気を奮い起こしたとしても、しょせん焼け石に水、付け
焼刃は付け焼刃に過ぎないという事でして、ものの見事にサクラチルわけなんですけれども、それは
おいて置いて。印象に残っているシーンを挙げていこう。

1.妹爆発
ツーチャンネルでお馴染みのネタはこれが元ネタなのかどうかは知らないけど、原作と比較してコメ
ディ色の強い本作ではこういった破天荒なシーンが多く見られる。なんで爆発したのかよく覚えては
いないけれど、多分世紀末のせいだろう。

2.劇画タッチの同級生に扮したおっさん
ラスト近辺、唐突に現れ唐突に語りだす謎のおっさん同級生。その真の姿はクラスメートの姿を借り
たスタッフの誰かの顔なんだろうけど、このアニメ、後半になるにつれて悪ノリが過ぎる気がするの
はひとえにアニメが原作に追いついてしまったための苦肉の策、というか遊び心の一つなんだろうな。

3.夏休みのデート中、にわか雨に見舞われ――
水に濡れて重くなった薄衣が身体に吸いつき、露わになった女体のラインがエロスを掻き立て、それ
までの空気が一変する。ありがち、だからこそ映えるこのシチュエーションに、ドキマギしない輩は
いないのではなかろうか。切実に思う、経験してみたいモノだと。

うろ覚えで書いているため、間違ったところがあるかもしれないが、ざっとこんなもんだろうか。

思春期の男女の内面と葛藤、心の触れ合いについて、当時の僕は、そこまで考えるのかと、そこまで
思いめぐらすのかと、自身の交友関係と照らし合わせてみて、ひどく薄っぺらいモノに感じたのを覚
えている。そんな風に本音でぶつかり合い、絆を強めていく行為が羨ましく、また妬ましくもあった。
おススメのアニメである。


さて、次に紹介しようと思ったのは「放浪息子」で有名な志村貴子の初連載、「敷居の住人」である
が、めんどくさくなったので割愛する。一言添えるなら、放浪息子が好みに合うのならば、敷居の住
人もきっと好みに適う作品であるだろう、ということ。ではまた来週。
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