散文誌

日記・小説

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Category: 日想  

視界に犬がいた。そいつはここ最近、人生の侘しさを埋めようとしきりにメスを追いかけていた。こび、へつらい、おもねる。その姿は浅ましいの一言に尽き、その無駄な努力が実を結ばないと心の底では思っているくせに、右へ左へしっぽをふる。
ピエロと呼ぶのもおこがましい、多分この世で最下層の犬。それが僕であるということを再認識したのは、つい先日エロチャットで獣欲の赴くままエマージェンシーを黙殺してビデオにその醜態を晒したときだった。メスが放った、たった一言の侮蔑。それまでの嬌声が一変、がさつな蔑みの声が、この一夏をうかれポンチに過ごしていた原因であるところの自我妄執から解き放ち、晴れも雨もない抑揚を欠いた現実へと引き戻した。
そうして今、打鍵の不規則なリズムを眼下に、モニター越しに映る猫背のおっさんの侘び加減は異常この上ないモノである。

考えてみると何ともくだらないことに時間を費やしたモノですね。笑わせんな、じじいが今更なにを求める?
これが十年前なら話は違った。その頃の僕なら、まだ十分に巻き返せるポテンシャルがあった。しかし、無常に過ぎる歳月の牙が、肉体と精神を衰えさせ、僕から多分唯一の武器であった若さを奪った。と、こんあ事を書いている時点で、もう終わってるんですよね。あの頃は云々。歴史にifがないように、個人にもifはない。「もし」を語ればキリがない。ああすればよかった。こうすればよかった。くだらない泣き言。振り返りたくなる首を前に見据えて、歩いて歩いて歩き続けるしか道はないのに。

そう、分かりきっていること。な、の、だ、が。しかし、今の自分を受け入れ、前に進むというこの難行をどのようにして遂行すればいいのか。難題である。命題である。

人間は他人と比較して自己を確立する生き物だ。他人なくして人は人らしくいられない。社会に生きる人としての本質。その欲求をどうにか上手い具合に自己抑制し、精神の安定、心の調和を図らねばならない。自己の変革。しかしそれにはとてつもない苦労が必要だろう。そこまでの気骨を、僕が持ち合わせているかと言えば心もとない。ではどうするか。残された道は唯一つ、社会性を捨てるしかないのではなかろうか。禁欲。口で言えば簡単極まりないことであるが、さて実行となると?

これまでの無為と言っていい人生の中で、僕が体得した真理が一つある。欲は身を滅ぼすということ。

求めるから辛くなる。求めるから足掻き苦しむ。ならそんなモノ捨ててしまえばいいんだ。

そう何度も言い聞かせつつも、心のどこかで、やはり何かを求める自分がいる。短いようで果てしなく長いように思える今生の世知辛さを紛らわすために。僕は、縋るモノがほしい。
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